「誰も知らない」を武器に! 北大で創る武道広報の余白
北海道大学杖道サークル 北志杖(ほくしじょう)では、道場で杖道の技を深めることと同じくらい、「まだ知られていない杖道の面白さを、自分たちの手で世の中に届けていく活動」に力を注いでいます。
杖道は、400年の歴史を持ちながら、ほとんどの人がまだその名前すら知らない武道です。だからこそ北海道大学杖道サークルは、杖道が知と実践の「フロンティア」であり、アイデアやものづくりを思いきり試せる絶好の場所だと考えています。
この記事では、普及活動に取り組む背景と、デザイン・動画・企画などを通じて新しい文化を創り広げる楽しさについてご紹介します。

誰も知らないから、広める余白がある
初めて会った人に「杖道をやっています」と言うと、ほとんどの場合「何それ?」という反応が返ってきます。
しかし、実際に木の棒一本で刀を制する演武を見せたり、相手を傷つけずに制する深い哲学を伝えたりすると、誰もが「そんな武道があったのか!」と目を輝かせます。
知られていないということは、決して残念なことではありません。前向きに見れば、それは 「これから自分たちの手で、みんなが知っている魅力へと変えていける」 という、とても面白い余白が目の前にあることを意味しています。
自分たちの発信で人が集まり、文化が広がっていく手応え を肌で感じられるのが、北志杖での普及活動の醍醐味です。
リアルとネット、すべてがあなたの実践領域
普及活動と一口に言っても、その内容は実に多彩です。北志杖では、メンバーの得意なことや「ちょっとやってみたいこと」を持ち寄りながら、さまざまなプロジェクトを動かしています。
たとえば、学内に掲出するポスターや新歓パンフレット等の制作。武道に馴染みのない人にも直感的に美しさが伝わるよう、配色やタイポグラフィについて自分たちで研究しながら、思いが伝わる作品になるようなデザインを考えます。
あるいは、公式 Web サイトの開発や情報設計。AIなどの情報技術が発展する現在、機械にも人間にも読み取りやすく、初めて杖道を知った人が杖道の面白さを正しく知り、引き込まれるような情報の見せ方を形にするようにしています。
さらに、Instagram や YouTube などでの映像発信。白樫の杖が空を切る感触、木と木が擦れ合う音、静寂の中で繰り広げられる技のキレなど、文字だけでは伝えきれない杖道の魅力を切り取ったり、構成を工夫した企画動画として収録したりして届けます。
杖道は、表現のアイデアを伸び伸びと描くことができるキャンバスです。「デザインの経験を積んでみたい」「ゼロから Web サイトや SNS の運営を経験してみたい」「文章を書いて誰かに届けたい」という方にとって、北志杖は自分の発想をそのまま形にできる自由度の高いフィールドです。

武道や創作の経験はまったく問いません
このように書いていますが、武道の知識やデザイン・動画編集などの特別なスキルがないと関われないという心配はまったく要りません。
現在活動しているメンバーも、最初から専門的なスキルを持っていたわけではなく、「大学に入って初めてデザインツールを触ってみた」「なんとなく写真や動画を撮ることに興味があった」「文章を書いてみたかった」という好奇心からスタートしています。
むしろ、武道を知らない人や創作活動が初めての人のまっさらな視点こそが、まだ杖道を知らない多くの新入生や読者に自然と届く言葉やアイデアを生み出すかもしれません!
そのため、毎回の稽古は厳しいかもしれないけど、普及活動のミーティングには参加したい、自分のペースで簡単なデザインやポスターを作ってみたい、文章の校正や企画のアイデア出しを手伝いたいといった関わり方も十分に可能です。
ご参考までに、部員の中に分類・区分があるわけではなく、もちろん希望があれば稽古に参加して杖を振るうこともできます。北志杖では、稽古で技を深める人も、広報やものづくりでサークルを支える人も、誰もが対等な仲間として尊重し合っています。

北大の「フロンティア精神」を胸に
北海道大学には、札幌農学校の開校以来、先人たちから脈々と受け継がれてきた 「フロンティア精神」 という基本理念があります。
既成の枠にとらわれず、未知の領域へ進んで足を踏み入れ、自らの手で新しい道を切り拓いていく北大ならではの精神を、私たちが杖道を通して目指している姿にも重ねています。
江戸時代初期に開かれたという「神道夢想流杖術」から辿って400年、その長い歴史が現代まで続いてきたのは、それぞれの時代の人々が「今」を最前線として稽古を重ね、次の世代へとバトンを手渡してきたから。
決まった作業をこなすだけの「広報係」ではなく、400年の歴史を現代の若者カルチャーの中に再定義し、未来へつなぐ 「開拓者」 として活動する。北大生としてフロンティア精神を体現するそのロマンこそが、杖道 × 普及活動の原動力になるでしょう!
普及活動に関するよくある質問
説明しきれなかった点をいくつか、Q&A形式でご紹介します。
Q. 普及活動は、北大生を対象にしているのですか?
北大生と世界中の方々、どちらも対象とすることがあります。特に SNS では、杖道の存在を知らない人にも届けられるような工夫を考えています。
Q. 普及活動にのみ参加している部員はいますか?
いいえ、現在のところは全員が稽古に参加しています。杖に触れることで、杖道の魅力を自分の言葉で語れるようになるなど、役立つことは多いです。
Q. 稽古メインで、普及活動には関わらない部員もいますか?
はい。普及活動は強制参加ではなく、稽古のみの部員も多いです。杖を振るだけの方も、その上で「世界に広める」という挑戦に乗る方も大歓迎しています!
一緒に北志杖のカルチャーを創りませんか?
北志杖は、まだまだ設立間もない若いサークルです。だからこそ、あなたの「これやってみたい!」というアイデアが、そのままサークルの新しい看板になりえます。ちょっとした好奇心があれば、最初から完璧なスキルを持っている必要はありません。お互いに試行錯誤しながら、少しずつ形にしていくプロセスそのものを楽しんでいきましょう。
見学や体験の際には、杖道の技を見るだけでなく、「サークルでこんなことやってみたい」「広報の裏側を聞いてみたい」という雑談も十分可能です。
400年の歴史をテーマに、一緒にワクワクするカルチャーを創り広げる仲間を、いつでもお待ちしています!
